会社員とアルバイト|スタート地点の差で3つのハンディが発生!

いらっしゃいませ。アマニタです。

私が20代の頃は、一生懸命バンドに打ち込んでいたこともあり、30代にさしかかるまで正社員雇用とは無縁の生活をしていました。

音楽や、芸術家志望で毎日を忙しく過ごしていると、いつ何時仕事や、打ち合わせが入っても対応できるようにと生活の中心がそこになりますよね。そうすることで、自ずと生活を支えるための“仕事”は優先順位が低くなるものです。私も、20代の頃は毎日が食べれないくらい貧乏を味わいました(笑)

アルバイトを選んでやっていた理由は、ある程度時間の融通が利くことと、服装・髪型の自由です。週に2日間はバンドのスタジオリハーサルがありましたし、ツアーで1週間から2週間の長期休暇も年に2回ほどは取らなければなりませんでした><(アルバムの全国リリースツアーともなると、1ヶ月以上の休みを取らせてもらっていました)

時給制なので、当然収入は少ない上に、仕事の中でのステップアップも見込めません。ですが、その時分は音楽に熱があるからやっているわけで、仕事の成果を求める自分は居なかったのを覚えています。

最近、アルバイトと正社員雇用に対して相談に来られた方が居ました。
以下、その方のプロフィールです。

  • マコトさん(23歳)
  • 都内の高校を卒業
  • 飲食系アルバイト勤務
  • 高校在学中に音楽に魅了され、DJを始める
  • DJ活動は週に最低3日(多い時は5日にも及ぶことも)
  • 最近、映像と音楽を絡めるVDJとしての活動がメイン
  • ホームはクラブだが、稀にイベントホールやライブハウスでのイベントにも声がかかり参加する
  • バイトの収入は最低限の生活を支えるためなので月13万円程度
  • 周りの友人たちも大学を卒業して続々と社会人となっていく一方、自分は音楽でと決めている
  • が、親や周りの目もあるし、音楽をやりながらの正社員に興味がないことはない。
  • 実際、アルバイトと正社員の違いもよくわからない上に、正社員になると会社への忠誠を誓うことになると信じ込んでいる

やりたいことできてるからバイトで十分じゃない?

アルバイトでも、自分のやりたいことができるだけの収入を確保することができれば、何ら問題ないように思います。アルバイトと言えど長く勤めれば昇級はありますし、雇用保険への加入もできますから、7ヶ月以上勤めた後に退職することになった際には失業手当も受け取ることができますね。
シフトの調整さえすれば時間の自由も利きやりたいことができる上に、サラリーマンにはできない平日格安旅行なども満喫できます。
そんな風に都合良く収入も時間も手に入るのに、何故わざわざ正社員雇用を求めるのか?という疑問に当たる人もいることでしょう。

各メリット・デメリットに関しては、後ほど説明しますが、会社員の最大の魅力は『社会的不安からの脱出』にあると私は思います。
極端な話をしますが…


飲食店のアルバイト(+やりたいこと)

社員登用

店長

独立(社長:個人事業主 or 株式会社設立)

会社員(+やりたいこと)

役付き(主任など)

管理職(部長など)

役員(取締役など)


これらの例は、どちらもすんなりといった(行き過ぎた)場合ですが、それぞれに未来予想図です。では、現在が23歳のマコトさんをモデルに、この2つの例をより細分化し、年齢/年収を付けてみましょう。


アルバイト(23歳)■240万円
*時給950円、平均8.4時間労働×25日

バイトリーダー(25歳)■276万円
*時給アップで月23万円×12ヶ月

社員登用(26歳)■322万円
*固定月給23万円+ボーナス1ヶ月分×二期

チーフ(28歳)■350万円
*昇給2万円=25万円に

フロアマネージャー(30歳)■392万円
*昇給3万円=28万円に

店長(33歳)■462万円
*昇給・家族扶養手当で+5万円=33万円

独立(35歳)■300万円
*1(a)店舗月間総売上400万円(b)内原価35%(c)人件費100万円<社員2名+シフトバイト8名>実際にはもっと必要(d)賃料100万円(e)水光熱費20万円(f)広告費15万円
*2 a×(100%-b)-(c+d+e+f)×12ヶ月=300万円

会社員(23歳)■345万円
*固定月給23万円+賞与1.5ヶ月×二期

主任(27歳)■420万円
*昇給5万円=28万円

係長(29歳)■495万円
*昇給5万円=33万円

課長(32歳)■570万円
*昇給5万円=38万円+賞与2ヶ月

部長(35歳)■645万円
*昇給5万円=43万円+賞与2ヶ月

役員(45歳)■900万円
*役員報酬の為、会社の業績による


まるで人生ゲームを見ているようですが、私の経験からすると能力者がスムーズにいってこのような感じです。

こうやって見てみると、20代での開きは年間100万円程度ですが、その後、年々開きは大きくなっていきます。
全ては順当に行った場合での計算ですが、順当に行くか行かないかの可能性も会社員の方が有利ですね。

会社員とアルバイト>スタート地点の差による3つのハンデ

この要因として考えられるのは…

  1. スタート時の年齢差
  2. アルバイトから正社員になれる業種には限りがあるから
  3. そもそも業態により報酬に天井があるから

スタート時の年齢差

これは、アルバイトと会社員を比較しなくとも、会社員同士でもスタートに年齢差があれば開きもあります。

仕事は長く続ければ周りからの信用を勝ち取ることとなり、それが報酬としても還ってくるわけです。が、今回の場合はスタート年齢と業種は同じです。なのに早い段階で差が生まれたのには“アルバイトはどんなに長く続けてもアルバイトとしての規定内での評価が原則”という考え方があるからですね。

つまり、同じ現場で働いていたとしても、アルバイト3年から正社員となれば、新人社員としての扱いから再スタートということになります。今回の場合はアルバイトから正社員に上がって、年収も順当に上がっていますが、フルタイムでアルバイトスタッフをしていた場合には年収が下がるケースもあります。

さらに言えば、アルバイトから正社員になることによって、社会保険が給与から差し引かれることになりますので、額面上(手取り)では少なくなりますので、若いうちはそのことを嫌って社員登用を断わるというケースも聞きます。(今回の[社員登用(26歳)■322万円]の場合では社会保険料おおよそ40万円ほどが差し引かれる計算)

しかし、先ほどの例を見ても分かる通り、正社員となることによる恩恵は年々増加していきます。

これは、アルバイトの場合ですと、長く続けていても時給に限界があるからです。(時給850円でスタートした人が10年続けたから2,000円になった!という話は聞いたことがありません)

将来的には正社員として働くことを考えているのであれば、早ければ早いほどその恩恵を受けられそうです。

アルバイトから正社員になれる業種には限りがあるから

最初はアルバイトで十分だと考えていたけれど、社員登用の話が来て、自然と社員になった…というケースはありますね。

これは、学生時代にしていたアルバイトから、優秀さを買われて正社員へ!(就職活動をドロップアウト!)というような場合もありますし、マコトくんのように夢を追ってアルバイトにとどめていたが踏ん切りがついた。なんて場合もあります。

無料のアルバイト情報誌タウンワークなどを見れば、どんな業種があるのか?は一目でわかります。

  • 飲食業
  • アパレル業
  • 運送業
  • 建設業
  • 工業
  • その他、サービス業全般

この辺りが一般的でしょう。

これらの業種の中でも“アルバイトからの社員登用がある仕事”と限定していくと、さらに選択肢が狭まっていきます!通常なら、一次情報を握る現場はありません。ほとんど全ての仕事で2次情報3次情報を使った末端仕事なので、どうしても報酬も低く設定されています。

そもそも業態により報酬に天井があるから

企業が社員に与える報酬には大きく二種類あります。それが、給与と賞与です。
給与は月賦で受け取るサラリー、つまり一般的に言う給料ですね。賞与はボーナスです。

これらの合計が会社員の年収となるわけですが、企業ごとに年収相場は年齢、役職で決められています。そのある程度決められた年収相場に向けて昇給レースがスタートするとわけですね。

2で選んだアルバイト⇨正社員の会社と、アルバイトなしの正社員雇用のみの会社、どちらが将来的に給料を多く貰えると思いますか?

アルバイト正社員の会社の天井が700万円だとするならば、その人が選択できる正社員正社員の会社は1.5倍の1000万円程度が妥当なところでしょう。

  1. 700万円を目指してレースをするのか?
  2. 1000万円を目指してレースをするのか?

そもそも天井が違うので、目標地点(ゴール)が違うというわけです。

それでは、次にアルバイトと正社員の各メリット・デメリットをお話ししていきましょう!

アルバイトのメリット・デメリット

この記事を読んでいる方なら、アルバイトの経験はあると思います。
何と言っても一番の魅力は「時間の自由が利く」ということでしょう!逆にデメリットと言えば、安定性でしょうか。正社員のように会社もリスクを負って雇用しているわけではないので、首切りの対象はまずアルバイト…というのが普通ですね。

他にも色々と考えることができますので、下記にまとめてみました。

メリット

  • シフトの調整ができるので、休みたい時に休みが取れる!プライベートも充実!
  • 時給制なので、この日は何時間、この日は…という小回りの利いたスケジューリングができる!
  • 所得税や雇用保険(任意)以外の余計な引かれものがないから、稼いだ分そのまま受け取れる!
  • やりたいことが見つかった時に辞めやすい!
  • 高時給バイトを探せばスポットで稼ぐこともできる!
  • 社員からのサポートを受けれるので全責任自己責任の仕事がない!

 

デメリット

  • シフトの入り具合によって収入にバラつきが出る!
  • アルバイト雇用は企業からすれば一般的に首切りの最優先!
  • 福利厚生が充実していない!(年金が出ない&健康保険は全額実費)
  • アルバイト雇用の人が“結婚”…は考えづらい!
  • 銀行などから融資を受けにくい!
  • 出世がない分、いつまで経っても社員の下!
  • 年下の社員から指示される!
  • “時間給”という属性上、自分の体資本での仕事になる!
  • ボーナスがない!

さて、実際に見てみていかがでしょう?

アルバイトをしているのには理由があると思います。現役の学生さん、マコトくんのように夢がある人、旦那さんは社員雇用でパートをしている人もいるでしょうし、特に理由はないけれど、とりあえず収入が必要なのでフリーターで。という人もいるでしょう。

現状は、アルバイトでもいいのかもしれませんが、特にアルバイト雇用が必要な理由がない場合は正社員への道も考えてみた方が良い!と私は思います。

次は、正社員のメリット・デメリットです。
ほぼ、アルバイトと逆になるだけですが、記述しましょう。

正社員のメリット・デメリット

メリット

  • 福利厚生が充実!(厚生年金&国民年金、健康保険)
  • 年2回のボーナスが出る!(会社規定による)
  • 能力により、昇進&昇給がある!
  • 銀行からの借入を検討できる!
  • 自宅の購入もしやすい!
  • 比較的、雇用が安定している!
  • ライフプランを立てやすい!
  • ビジネスキャリアを積めば、独立もできる!
  • 時間給からのスタートだが、プランニングによっては組織給⇨資産報酬への転身も!

 

デメリット

  • 仕事には責任が付き纏う!
  • 会社の社員として縛られているので、ある程度は自分の主張を抑える必要が!?
  • 個ではなく組織として働く意識が強いので、組織からのストレスを受けることも!
  • 決められた日数、時間は束縛される!(会社によってはサービス残業も…)
  • 福利厚生費分は給与から差し引かれるので手取りは額面の70%程度ということも!

やはりアルバイトに比べると正社員の方が責任がある分、自由が利きにくいのかな?という印象はあるでしょう。正社員はアルバイトとは社会的信用性が格段に上ですので、将来を見越して働いていくのであれば、正社員雇用を目指していった方が良いでしょう。

では、正社員雇用の自由度というのは、どの程度のものなのでしょうか?

正社員だとやりたいことはやれないのか?

今回の記事の冒頭でもお話しした「自由が欲しいからアルバイト雇用」という部分です。

私は正社員もアルバイトも両方を経験しました。私が思うに、現在アルバイトのみで働いている方が思っているほど、正社員は束縛されるわけではない!という風に思います。

確かに、アルバイトのようにシフトで各週、毎月のスケジュールを立てれるわけではないですが、有給などの制度をうまく使っていけば、ある程度の自由を確保できますし、何よりも、やりたいことをやりながらキャリアを積むことができます。

確かに、私がバンドに熱中していた頃のように、ひと月丸々の休みを貰うことは難しいですが、当時とは違いインターネットが普及した現代では、実際にツアーを廻るという手法よりも効果的な活動方法があります。

これは、バンドだけに限ったことではなく、画家を目指している方、漫画家を目指している方などのアーティスト系全般に当てはまることだと思います。

考えたくはないでしょうがアーティストの成功者は圧倒的に少なく、ですが、成功すれば返しが大きい!というハイリスク・ハイリターン型のモデルが多いです。万が一、失敗した場合の保険があるに越したことはないですし、私自身はその保険を用意できていなかったので、今なら正社員雇用を選択するでしょう。

もう一点、20代でバンド活動をしてきた私ですが、30代なかばとなった今、当時の仲間たちが続々と活動を再開させています。これは、一旦バンドを辞めた仲間たちが、安定職を見つけ就職し、家族を持ち将来の見通しが立ったからです。何が言いたいかというと、アーティスト系の失敗というのは、「諦めた時!」です。諦めなければ、永久に失敗はきません。安定職は持ちながら、自分の好きなことをする。この方法というのは、実はとても現実的で、自分の趣味を充実させることで、仕事にも好影響を与えることができますし、アルバイトをしながらギリギリの精神状態で芸術活動をするよりも、良い作品が生まれることが良くあります。

制限された中でのスケジューリングで成功に導く!

正社員は忙しいです。これは、役付きなどになって仕事に責任が生まれれば生まれるほどに忙しくなっていくでしょう。

頭の中はいつも仕事のことばかり、本当はやりたいことがあっても、なかなかそちらに手を付けられず半年、1年と時間が過ぎていく…そんなイメージをお持ちではないでしょうか?

実際、私が会社員をしていた時には、そのような感じでした。ですが、仕事に集中をしている時には仕事が楽しいものです。駆け抜けていました。ですが、ある時にふと、虚無感を感じた時期があり「このまま会社員だけをやってる人生なんておもしろくない!」と気付いたんです。

その時から、仕事のスケジュールの調整をし、無駄な仕事はしない(他の社員に任せる)ようになり、捻出した時間を使って自分の芸術活動をするようになりました。

どうなったと思いますか?

仕事のウェイトが減ったから、会社員の仕事の成績が下がった?
空き時間しか使えないから、芸術活動は成果が出ない?

実は、結果は真逆でした!
本業(正社員)の仕事を後輩社員に任せたことによって、後輩社員が育ち、自分で考えて行動するようになりました。私が指示出しをしなくても、ある程度までの仕事を自主的にこなし、ある時には、私が気にかけていなかったことでも先手を打って仕事を済ませてくれるようになり、私が受け持っていたプロジェクトチームは売上を倍加させました。

そして、芸術活動はというと、その日は2時間ほどしか時間が取れなくても、自分が苦労して捻出した時間なので、その時間は作業に没頭することができました。それを半年続けると、アルバイト時代にやっていた作業量の一週間分を休日1日で消化することができるようになりました。時間配分が上手くなったのです。

もちろん、芸術活動は“作業だけ”ではないので、気分が乗らない時やアイデアが浮かばない時もありましたが、その時はいっその事手を付けずに公園に散歩に行ったり、カフェで別の仕事をこなしたりしました。そういう時に限って良いアイデアが降りてきたりもします!これは本当に嬉しいことで、すぐに作業を開始して作品を仕上げたりもしました。

こんな具合に、本業と趣味の良い関係を作り出すことで、私は両方の作業をこなす生活を手に入れましたし、時間配分が上手くなった分、効率が非常に良くなりました。

もちろん、アルバイトではないので、収入も上がっていますから、芸術活動に投資できるお金も増えました。

まとめ

今回の記事は長くなってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございます。

いかがでしたでしょうか?
私がアルバイトをしながらバンド活動をしていた時には、常に不安が付き纏っていて、なかなかやりたいことに集中できない時期がありました。「こうなったらどうしよう…」「これで成功できなければ諦めた方が良いのか…」といつも頭を抱えていました。

正社員雇用に切り替えることには、勇気が必要ですが、私は実際にやってみて、正社員の方が結果的に良かった!と声を大にして言うことができます。それは、後者の方が全てにおいて充実しているからです!

無理に勧めることはしませんが、「ふーん、なるほど〜」程度でも、関心を持って頂けたなら嬉しいです。

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それではアマニタでした!